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中村文夫の新製品レポート


α-70_LOGO
α-70

 

 

ミノルタα70はAF一眼レフに必要とされるほとんどの条件を備えた完成度の高い製品である。スペック的には上級機のα7に近いが、価格は入門機のαスウィートII以下。とにかくコストパフォーマンスの高さでは、ナンバーワンと言えるだろう。

 

コンパクト化の秘密

 

 α70は2001年に登場したαスウィートIIをベースに作られている。このカメラは、ボディ設計を全面的に見直すことでかつてないコンパクト化を実現。AF一眼レフとして世界最小最軽量を誇っていた。
 小型化の秘密は、2つあるモーターの役割を変更するとともにボディ内部のレイアウトを徹底的に見直したことにある。具体的には、従来AF駆動だけに利用していたモーターをシャッターチャージにも利用。その結果、それまでフィルム給送とシャッターチャージを受け持っていたモーターの負担が軽くなりモーターの小型化が可能になった。そして小型になったモーターを巻き上げ軸の中からボディ底部へ移動。空いたスペースを電池室に。電池室をストロボ用コンデンサーのスペースに充て、ボディ全体の横幅を縮めることに成功した。そしてボディ高を下げるため、フォーカシングスクリーンも7度前方に傾けられている。

α7に比べるとボディサイズの小ささがよく分かる。α70の重量はボディのみで375グラム。α7より200グラムも軽い。

マウントは金属製。
ボディの上カバーにもアルミ合金が使用されている。

※写真をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。

 

 

上級者も満足させる高い操作性を実現

 

 α70の最大の特徴は、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル露出など、上級者向けの機能が前面に押し出されていることだ。撮影目的に合わせてシンボルマークを合わせるだけで誰もが簡単に美しい写真が撮れる撮影シーンセレクター機能が中心だったαスウィートIIとはこの点が大きく異なっている。特にαスウィートIIで撮影シーンセレクター以外のモードを使おうとすると、ファンクションダイヤルをPASMの位置にセットしダイヤル中央のファンクションボタンを押しながらボディ前面の電子ダイヤルを回転させるという、かなり面倒な操作が要求された。しかしα70では独立したモードダイヤルを新設。ダイヤルの回転だけで各撮影モードが即座に選べるようなった。またこのダイヤルはOFF位置をはさんで上級者向けと初心者向けの撮影モードが分かれているので、どんなレベルのユーザーが使っても混乱することがない。単純な機構だが、ユーザーインターフェースのことをよく考えた優れたアイデアと言えるだろう。

メインスイッチを兼ねたモードダイヤルは、OFF位置を挟んで初心者向きと上級者向きモードに別れている。液晶表示も内容が整理されているのでとても見やすい。
AEモードやファンクションなどは、ファンクションダイヤルで設定項目を選び、中央のファンクションボタンを押しながら、反対側の電子ダイヤルでセットする方式。
電子ダイヤルは、絞りやシャッタースピード変更のほか撮影シーンの変更など、使用頻度が非常に高い。αスウィートIIに比べるとダイヤルの厚みが増し、とても使いやすくなった。
ボディ上面に2つのダイヤルを配置。特に撮影モードの切り替えダイヤルが独立しているので使いやすい。

 

 

AF/MFの垣根をなくしたDMFモード
AF/MFを切り替えるフォーカスモードボタン、スローシンクロスイッチを兼ねたAEロックボタン、スポットAFロックボタンなどよく使うボタンは、ボディ背面右側に並んでいる。
 AF機能が充実したこともα70の大きな特徴である。7点から9点に増えた測距点は、自動選択のほか任意に選ぶことが可能。AFボタンを押せばワンタッチで中央1点にピントを合わせることもできる。さらに動体追従AFでは9点の測距点から得られる情報を利用するなど上級機のα7に迫るAF性能を実現している。
 特筆すべきはDMF(ダイレクト・マニュアル・フォーカス)モードだ。このモードはα7で初めて採用されたフーォカスモードで、AFで一旦ピントが合うとピントリングがフリーになり、面倒な切り替え操作なしでマニュアルフォーカスが利用できる。なおこのモードが使えるのは新タイプのDレンズだけだが、ボディ背面のフォーカスモード切替ボタンを押せば、旧タイプのレンズでもAF/MFの切り替えがワンタッチでできる。
 

 

 

普及機ながら充実した機能を装備

 

 α70の連写最高速は3コマ/秒。このクラスとしてはかなり速いほうだ。またこのカメラはルーフミラー方式を採用しているにも関わらず、ファインダーがとても明るく感じられる。これはミラー表面に銀蒸着を施し反射率を高めているうえ、アイピースに両面非球面レンズを採用しているからだ。撮影情報もファインダー内下部に過不足なく表示される。このほか14分割ハニカムパターン測光、中央重点測光、スポットモードを選択できる測光方式、プレビューボタン、多重露光、視度補正機構付きのファインダー、撮影中に裏ぶたをロックするセーフティロック機能など、基本的な機能もしっかり押さえられている。さらに15項目にも及ぶカスタムファンクションを装備している点も高く評価できる。強いて難点を上げれば、ファインダーの視野率と倍率が低いことと、オートブラケットを使用したときに巻き上げ速度が遅く感じられることくらいだ。やはりこの当たりに高級機との差が現れているが、実勢価格のことを考れば十分納得できるお買い得のカメラと言えるだろう。

プレビューボタンはマウント部の向かって左下にある。
フラッシュモードボタンと露出補正ボタンは、マウント部の右上に付いている。
ファインダーには視度調節機構を装備。−1〜+1ディオプトリーの範囲で調節できる。
裏ぶたは通常のカメラとは反対の方向に開く。またフィルム装填中は自動的にロックが掛かるセーフティロック機構が採用されている。
内蔵ストロボのガイドナンバーは16(ISO100・m)と大きく、広角28ミリの画角をカバー。ポップアップすると発光部がかなり高い位置にくる。
ボディ底部に貼られたシール。機能にはまったく関係ないが、コニカミノルタの本社は東京にあるはず。だが以前と同様OSAKAの表示が入っている。また今後の新製品はコニカミノルタブランドに統一するという発表が最近あったばかりだ。このα70がミノルタブランド最後の一眼レフになるのだろうか。


 

 

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