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連載スタートにあたって、円谷円先生からコメントをいただきました。
こちらの映像で御覧頂けます!

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第一回 オリンパスμパノラマの実力に驚愕!!

 カメラファン、あるいはカメラマニアが持っているコンパクトカメラは、おそらく高級コンパクトカメラといわれる機種が多いのではないでしょうか。たとえば『コンタックスT2』とか『ヘキサー』、『ミノルタTC-1』などなど。
 こういった機種は高い描写性能だけではなく、持つ喜びが味わえ、中古市場でも人気があります。一方、ストロボ内蔵で露出はプログラムAEだけという超簡単コンパクトカメラは中古価格も安いし、どことなく初心者向けのような感じがして、カメラファンやカメラマニアはあまり関心がないようです。
 かくいう僕も以前、単焦点レンズ(35・F2.8)で最短撮影距離が35・という『コニカビッグミニF』を買ったことがあります。旅先でメモ代わりに使えると思ったからです。しかし、ポジフィルムを常用している僕にはどうもしっくりこなくて、2〜3回使ってお蔵入りになってしまいました。もっとも、プログラムAEのこうしたコンパクトカメラで、ポジフィルムを使う僕のほうがいけないのかもしれませんが。

 さて、僕は小学館の月刊誌『ラピタ』に「カメラ屋はしご旅」というエッセイを連載しています。3年3か月連載した前回の「カメラ屋はしご酒」に旅のガイド的要素を加えたシリーズで、前シリーズで訪問しなかった全国の中古カメラ屋さんを毎月取材して歩いてます。
 今年の4月は山形市内の『ムラオカカメラ』を訪ねました。区画整理のための一時移転で、狭い仮店舗で営業していたので、いつもは国産、輸入カメラを200台ほど在庫しているのに、店には100台ほどしかありませんでした。

 僕は毎回、訪ねたカメラ屋さんで気に入ったカメラを購入してます。ちなみに、カメラはすべて自費で購入していますが、原稿料よりも高いことしばしば。いつも赤字ですが、訪ねた店で実際にカメラを購入するのと、何も買わずにただ取材するのとでは、取材の密度が全然違います。カメラを購入することによって、ご主人の本音なども聞き出せることもあると思ってます。

オリンパスμパノラマ
マ
μパノラマ  
<写真1>
初代『オリンパスμ』にパノラマ機構を搭載したのが『オリンパスμパノラマ』。内蔵レンズは3群3枚の35・F3.5。プログラム式電子シャッターで、ピント合わせはアクティブ式AF。露出制御はプログラムAE。発売当時の価格は3万7000円。
 

 いつもより並べてある種類、台数が少ないムラオカカメラでは『ミノルタα-507si』を購入しました。そして2日間の山形取材を終え、山形を発つ前に挨拶がてらもう一度ムラオカカメラを訪ねました。
 そのとき、ふと目に留まったのが中古の『オリンパスμパノラマ』です<写真1>。普段なら別に気にもしなかったのですが、購入したα507siが予算よりも安く買えたこともあって、つい購入してしまいました。ご主人のご好意で、なんと3000円。この値段なら飽きてもいいやと、早速、ポジフィルムを入れて、新幹線の時間まで撮り歩きました。

 カプセル型といわれた『オリンパスXA』みたいにスライド式レンズバリアを採用した『オリンパスμパノラマ』は、バリアの左側がやや厚みがあり、バリアの開閉が楽なこと。そして、その厚みが撮影時のホールド感を高めてくれることに、まず驚きました<写真2>。
 撮影を終えてバッグへ入れるときも、曲線を主体にしたフォルムなので、ちょっとしたすき間でも、すっぽりと入ってしまい、すっかり気に入ってしまいました。あとは現像上りが気になります。
オリンパスμパノラマ
マ
<写真2>
レンズバリアを兼ねたスライド式蓋の開閉でメインスイッチがON、OFFとなる。ボディーは無味乾燥的なプラスチック製だが、レンズバリアを開けると、レンズの上部にストロボや赤外線補助光窓などがレイアウトされていて、実力を秘めた面構えに急変する。
※写真をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。
蕎麦
<写真3>

 現像上がりを見てびっくり。<写真3>は山形市内の蕎麦屋で名物の蕎麦を食べる前に撮ったものです。ストロボを発光して撮りましたが、美味しそうに撮れているでしょう。いや、本当にこの店の蕎麦は抜群に美味しかったです。
 <写真4>は山形駅に入線していた山形新幹線。車体のツルツル感がよく出ていると思いませんか。

 <写真5>も山形駅のプラットホームで撮りました。保線区員と駅の雰囲気を同時に押さえました。こういったときに35・という画角は最適です。明暗が同居した場所でしたが、コントラストがよく出たと思います。
 <写真6>は帰りの新幹線の車窓から撮ったもので、福島近辺の梨畑です。手前の梨の花が流れ、面白い写真になりました。梨の花がやや黄ばんでいるのが気になりましたが、新幹線のガラス越しということもあるのかもしれません。

 その発色具合ですが、<写真7>を見てください。山形の霞城公園で撮った桜です。そして、5月に千葉県にある川村美術館の庭園で撮ったツツジが<写真8>です。どちらもいい色が出ていると思いませんか。
 使ったフィルムはポジ。プログラムAEのみの露出制御なのに、じつにいい発色です。

新幹線
<写真4>
プラットホーム 梨の花
<写真5> <写真6>
桜 つつじ  
<写真7> <写真8>  
山形のムラオカカメラのご主人が『オリンパスμ』はズームよりも単眼のほうがいいといってましたが、これほどの描写力があるとは思いませんでした。
 この頃ではそういうことはないようですが、どこのカメラメーカーでも新たに開発した技術をカメラに搭載するときは、まずコンパクトカメラで試してみてから一眼レフに採用する、という話を以前あるメーカーの方から聞いたことを思い出しました。
 銀塩のコンパクトカメラは今やデジカメ・コンパクトに押され、やや影が薄い存在です。しかも、デジカメは短期間に次々と新しいモデルが登場します。でも、10年ほど前に登場した『オリンパスμパノラマ』で撮ってスキャンしてみると、今の400万画素、500万画素のデジカメ・コンパクトに優るとも劣らない実力を持っていることに驚かされました。
 
 皆さんも、再度、コンパクトカメラに目を向けてみたらいかがでしょうか。中古で結構。自分の撮影スタイルに合ったコンパクトカメラがきっと見つかりますよ。


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