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α9000

初代αのフラッグシップモデル。何とAF一眼レフのくせに手動フィルム巻き上げレバ ーを装備しているというかなりマニアックなカメラである。私にとっては今も現役機種で、広角レンズを装着して街で撮影するような場合はMFで使用する。

 

 コニカとミノルタの経営統合がなされ、コニカミノルタとなって、まだ日は浅いわけだが、部署の統廃合とか人事移動などで、いまだ社内は混乱気味のようである。きちんとした会社勤めの経験のない私には、こうしたことはさっぱり理解できないのであるが、従業員の方々が、たいへんな御苦労をされているだろうことは想像に難くない。
 しかし、場外の野次馬としては、せっかくの経営統合なのだから、カメラにおいても限定記念モデルなどを出して欲しいなどと、お気楽なことを考えてしまうが、どうやらそういった気配は皆無のようだ。まことに残念である。

コニカミノルタホールディングス株式会社 http://konicaminolta.jp/

デジタル化に乗り遅れるα

 さて、ミノルタの一眼レフカメラと言えばαシステムである。ベテランのミノルタファンからは、やれSRT101だ、X-1だ、XDこそ一眼レフの傑作だ!という声が聞こえてきそうだが、一眼レフのシステムAF化をいち早く成し遂げたαシリーズこそが、現時点ではミノルタブランドのカメラのイメージとして、最も強いものであると言っても過言ではなかろう。
 このαシステムだが、このところさっぱり元気がない(少なくとも私にはそう見える)。キヤノンから御存知の大ヒット作「EOS Kissデジタル」が登場した直後なので尚更であるが、αに限らず、私のまわりでも銀塩フィルムカメラの現行モデルが話題になるのはほとんど皆無である。銀塩フィルムカメラで注目されるのは、あいかわらず、ライカとか国産のクラシックカメラだけである。このあたりどんな最新機能を持っていたとしても、デジタルでなければカメラとしてはダメという風潮ができつつあるのだ。
 これは個人的な経験でも言えることだ。αシステムはずっと高く評価しており、仕事でもプライベートでも使用は多いほうであったが、ここ一年ほど、仕事方面でのデ ジタルシフトのためか、プライベートな時間に持ち出すカメラに対しては、逆に高機能化をまったく求めなくなり、ライカとか古い国産レンジファインダーカメラとか、MF一眼レフが多くなっている、したがってαとの戯れの時間が少なくなってきているのだ。
 プライベートな時間にはピントや露出はマニュアルで合わせたいし、面倒な所作は何も苦にならない。むしろクセのある面倒なカメラこそ面白いと思うようにまでなってしまった。フィルム一眼レフたるαの存在は、私の中でもなかなか難しい位置にあるのだ。
 いまだに本格的なレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラが登場していないのは大手カメラメーカーでは2003年10月末現在で、コニカミノルタだけである。

 

世界初の意義

 世界初の絞り優先とシャッターの切り換えを可能とした両優先AEのXD、あるいは世界初のシステムAF一眼レフカメラα7000を作ったミノルタとは思えないデジタル化への乗り遅れである。「世界初」を常にうたっていればエライなどということは言うつもりはないが、世間に対して希求力のある製品がラインアップされていないことは、企業イメージとしても辛いところがある。
 もっとも、α9000登場時には、すでにいち早くスチルビデオバックも用意されていたくらいだから電子画像たるデジタルイメージングの分野においてもミノルタに技術がないわけではないはずだし、現行商品でもレンズ固定式のデジタル一眼レフの分野では個性的なカメラを作っているから、むしろ技術的にはかなり進んだところに位置しているメーカーであると考えてよい。たとえば世界初(ここでやっとこのフレーズ が登場する)の撮像素子を動かすことで手ブレを補正するA1など、レンズ固定式のデジタル一眼レフでは、むしろトップの位置にあると言ってよいのだ。
 ただ、こうしたレンズ交換式とは別の、他の方面のデジタルカメラが、コニカミノルタから出るたびに、肝心のフィルム一眼レフカメラαシステムがますます古いものとして認識されてしまうのはかなり悲しいところがある。
 このことは他のメーカーにも言えることであるのだが、いっそのこと、早くαマウントを採用したレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラを発表してしまったほうが、 ユーザー側も今後のαシステムについて期待を持てるはずである。多くのアマチュアに人気のあるαシステムであるからこそ、手許にある交換レンズの数は膨大であるはずで、これらの資産は確実に応用できるわけだから、多くの人の支持を集めることは間違いない。

デジタルシフトによるメリットもある

 先にαは元気がない。と書いたが、これは実際の撮影現場において、各種α一眼レフを使っているぶんにはまったく感じられないことである。デジタルの雑音がその評価に霞みをかけてしまっているのである。これもまた困ったことである。優れた性能 のフィルムが膨大にある今の時代だからこそ、時間をかけて取り組む銀塩写真の再度の見直しをαを使って考えてもよいはずである。
 αに関しては現時点で中古の交換レンズは非常に廉価に売られていることが多く、 私もあこがれだったレンズを次々に入手することに成功している。とくにα7000時代の初期レンズなどは、ジャンク品扱いになっていたり捨て値で売られていることも多い。AF化にあたって高性能レンズを求められたレンズが、少しくらい旧いタイプになろうと悪かろうはずがないのだ。この初期のαレンズはMFでの操作系が劣るなど、欠点もあるのだが、それを我慢すれば、何ら問題なく使うことができる。廉価にレンズシステムを揃えようと思うならばαシステムは狙いめなのである。旧いレンズを新型αに装着したり、その逆も面白い遊びだ。αレンズが安くなったことはデジタル化がもたらした恩恵とも言えるのである。これを利用しない手はない。

役立ったα-9の内蔵ストロボ

 現在のところ私の手許にはα9000、α-9xi、α-9、α-7、α-SweetII、各モデルがあるのだが、いずれの機種も非常に気に入って使っている。
 α-9は、現行のフラッグシップ機となる。派手な高機能はないかわりに、装置としてのカメラの基本機能に対してはきわめてシビアに作られているところに着目をする。
 すなわち、シャッター感触、作動音、ボディ質感、露出精度、AFの安定性に関しては、このカメラの右に出るものはないということである。使っていて安心する一番のαというわけだ。
 とくに数あるAF一眼レフの中においても、シャッターの感触、作動音に関しては最も優れた部類に入っているだろう。またファインダースクリーンの優れた見え方についても特筆しておきたい。マニュアルのフォーカシングについてもよく考慮され、たいへん見やすいお金のかかったものだ。なおかつMF用のマット面のキレのよいスクリーンも別売で用意しているところなどもマニアックで、こうした商売にならないところまで考えるのは他のメーカーには絶対に真似ができないことである。
 α9で面白いのは、ニコンF5やキヤノンEOS-1Vと異なり、ストロボが内蔵されていることだ。カメラデザインを乱す原因になるストロボ内蔵には、私は当初反対であった。
 ところが、とある取材でα-9を携行した時のこと、ストロボが突然必要になったのだが、α専用のストロボをこの時は持参せず、真っ青になった。しかし、α-9には ストロボが内蔵されていたことを思い出し、緊急非常策として、使用してみることにした。これまで内蔵ストロボはガイドナンバーも小さく、役には立たないと思いこんでおり、始めての体験ということもあり、仕上がりがかなり心配されたが、調光精度も素晴らしく、仕事もうまくいったのだ。
 この一件の後から、私は内蔵ストロボ賛成派に急遽転身することにしたのである。 とくに現行αはストロボシューが専用のものであるから、汎用のクリップオンタイプ のストロボを直接装着して使用することができない。様々なメーカーのカメラと酒池肉林生活を送っている私としては、カメラに合わせた専用ストロボを常に持ち歩くというほど真面目な性格ではないので、αに関しては内蔵ストロボが必要である。

※写真をクリックすると、
 大きなサイズで御覧頂けます。

 

α-9+VC-9
バッテリーパックVC-9をとりつけるとさらに厳つい感じになるのがよい。かなりの重 量級カメラなので、街中で持ち歩くには不便だけれども、コニカミノルタのフラッグシップ機であることを世間に知らしめるには、良い組み合わせなのだ。

 

 

α9Ti
限定発売されたα-9のチタンモデルである。重量はわずかながら軽くなった。美しい 仕上げのチタンカラーで、おそらくはコレクション用だろうが、私は実用機として使ってしまっている。一部スタンダードモデルと違う仕様があるらしいが、取り扱い説 明書を真面目に読まない私は、それを知らない。

 フラッグシップのくせに先進機能をウリにしないのは何ごとかと言われてしまいそうだが、はっきり言って、私の経験からすれば高機能機に搭載されている様々な機能の中で、これが役に立ったので、良い写真が撮れましたなどということは経験上一度もなく、あとはオマケのようなものなのだ。前述のα-9の内蔵ストロボが最も役立ったオマケの事例唯一のものとなったのは皮肉というものであろうか。
 必要かつ十分な機能をブラッシュアップしているα9こそ、道具としてのカメラという意味で、もっと評価されてしかるべきではないかと思うわけだ。SSMレンズの登場で、α9でこれを装着して使うには改造が必要となったが、この改造により以前では行えなかったMF時にも多分割測光が可能となったことも大きな評価である。地味で密やかなファームアップであるが、こういうことをコニカミノルタはもっと大きく宣伝し、αに対する想いを世間に知らしめる必要があるのではないだろうか。

 

スタンダード機α-7

 実質的なαの代表カメラといえばα-7である。このカメラが売れずして、αは認められないわけだし、伝統の「7」がネーミングされているカメラはユーザーにも特別の思い入れがあるのではないか。
 本機を最初に見たとき、これはデジタル一眼レフのベース機ではないかと思った。 背面の液晶表示パネルがそう見せたのであるが、この推測はそれほど外れてはいないと思うがどうだろうか。今後の展開が楽しみである。
 背面液晶パネルの表示がα-7のウリと言ってしまうと、スペックマニアからは怒られてしまうかもしれないが、使ってみると液晶パネルを装備した一眼レフカメラのなかでは、もっとも見やすい表示方法であることがわかる。AEだけでなくマニュアル露出設定時にも、瞬時に設定ができるので、マニュアル露出派の私にも使いやすいのがよい。 また、α-7にはこれまで懸念とされていた、AF設定のままMFでのピント合わせができるAF/MFコントロールボタンが内蔵された。これはすなわちキヤノンEOS系と 同様の「フルタイムマニュアルフォーカス」に対抗する手段である。本来ならばこうした機構はα-9にあってしかるべきものであるが、どういうわけかα-7からはじめて内蔵されたのだ。
 ボディ外装は残念ながらプラスチックなので質感はまずまず。このあたり思いきって金属製にしておけば、もう少し道具的魅力が強くなったはずである。

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α-7+VC-7
このα-7もリミテッドエディションモデルなのだが、どこがリミテッドなのかはよく知らないで使っていたりする。現行のバッテリーパックは電池の種類を2つ選べたり、ボディ側のバッテリーを使うように切り換えができたりとマニアックなのである。

 

 ファインダーを覗くと、星のようにちりばめられた測距エリアがまず目につく。いささか多いようにも思えるが、実際に使ってみると配置位置は悪くない。しかし、私が使うのはほとんど中央一点の測距点のみである。実際のファインダーのキレはα-9には及ばないから、これは全ての撮影をAFで行うカメラと考えてよいかもしれない。
 α-7から、D表示のある専用レンズを使用すると距離情報が撮影時の露光に加味されるようになり、より精度が増した。こうした機能は、他のメーカーでも採用してお り、今さらという感じで大きなウリではない。が、地道にαを改良してゆくのだという姿勢には素直に評価したい。しかし、Dタイプレンズの開発は依然として遅れており、このあたり矛盾を感じているところである。
シャッター音がやや安っぽいのはいただけない点であるが、価格からすれば、ここまで手が回らなかったというのが本音であろう。
 スタンダード機という位置になるのがα-7だけれど、私が独断的に見るかぎりは 一眼レフ入門者のためのカメラという意識が若干強いようにも思える。このためマニアにはあまりウケがよくない。入門機イコールα-7などという図式はまったくもっ て面白くはない。本当に一眼レフ入門とか写真を本格的にやろうとするならばα-9 を買い、今後の覚悟を決めるべきなのである。

 

ママさんカメラを超えるα-SweetII

 α-SweetIIは私のαシステムの実質的メイン機である。α-7よりも安い「ママさんカメラ」がなぜそうなのかと言えば、実質的な機能は何らα-9に劣るものではないからである。値段からしても、ボディの質感がどうだとか、シャッター音がどうのといった評価をしなくても済むのだ。写真を撮るためだけの割り切った道具として使うには、最も適した機種であると言ってよいのである。このあたり、α-9に対する想いと逆ではないかと思われるかもしれないけれど、まずは写真という結果ありきの話であるから、本当はカメラ感触のお話など、しょせんはお遊びにしかすぎないのである。
 本機の最大特徴とは、小型軽量であること、AFの動作をはじめとする各種の動作が非常に機敏であることだ。デザイン的にも優れているほうだと思う。安いAF一眼レフほど、こうしたところに不満を持ってしまうものだがSweetIIは、従来の思想とはまったく異なるところに位置しているところが凄い。AFモードにしても、自動選択のオートの他、シングル、コンティニュアスが選択できるのはこのクラスのカメラではSweetIIのみではないか。これだけでも十分に存在意義を感じさせるのである。

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α-SweetII
手許にあった50/2.8マクロレンズを装着したら、何ともアンバランスな感じになったが、それはそれで面白いと思ってしまう。このカメラのネーミングはMAXXUM5となっているが、北米仕様のSweetIIなので、パノラマ切り換え機構が省略されている。

 

 SweetIIをママさんカメラではなく、表現者の道具として進化させるのはいとも簡単なことである。つまらない安手のズームレンズを使わず、小型の単焦点標準レンズとか広角レンズを装着して持ち歩けばよいのである。これだけで、街を縦横無尽に切り取る歩く目として使うことが可能となる。機能的に言えばライカよりもはるかに優れたカメラとなるはずだ。
 個人的にはαからレンズ交換式一眼レフが登場するとするならば、ベース機はこのαSweetIIで十分に事足りてしまうのではないかと考えてしまうほどだ。大きさはこのままで、低価格でデジタル化できれば、なかなかの戦略商品として位置するはずである。
 αシステムは、このように優れたカメラ、性能の高いレンズによって形成されており、魅力がある。ただ、どういうわけかプロの使用が少ない。コニカミノルタ自体が、「αはアマチュア」のものとして考えすぎているキライがあるのもよくない。今後登場するであろうレンズ交換式のデジタル一眼レフにしても、αシステムを貫くとするならば、フラッグシップカメラは絶対に必要となろう。

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